先日11月3日公開予定の新作映画「ゴジラ -0.0」のティザー映像を見て、「敵怪獣はドゴラだ!」などと妄想をした記事を書きました。しかし、考えてみたらわたしはここしばらく肝心の「宇宙大怪獣ドゴラ」を見てなかったわ、と思い出して改めて鑑賞しなおしてみました。なにせ本作、ダン・ユマ演じる「変な外人(予告編でそう紹介されている)」が強烈で他を忘れてしまうのです。
「おー、日本の番茶、大変いいです。あー、エダマメ。なかなか乙なもんですねぇ。」
とか
「今、日本で流行ってるでしょう、忍者ブーム。わたしのミッション、忍者です。」
などの変なセリフは一度聴いたら耳に残ってネタにしたくなること間違いなし。迎え撃つ日本の博士も
「わしはヤングソルジャーじゃ」
となかなか負けないセリフをしゃべってくれます。なもんでしばらく見てないと記憶がそっちだけに持っていかれて忘れがち。いい機会なので見直しました。
えー、記憶想像以上に「ゴジラ -0.0」のティザー映像の一部シーン、「宇宙大怪獣ドゴラ」に似てます。似すぎていて、ひょっとして「あれを見て特撮ヲタは「宇宙大怪獣ドゴラだ」って思うだろうなぁ、でもね・・・」という罠なんじゃないかとすら思えてきています。罠だとして斜めに考えてもドゴラ以上にあのシーン以上に合う既存の東宝怪獣が思いつきません。ドゴラの能力を全く違う怪獣に与えた、とかなら別ですが。
改めて「ゴジラ -0,0」の予想は
1.既存東宝怪獣を連想させる要素も加えたうえで「ドゴラ」
2.ドゴラに似た能力を持たせた新怪獣
3.ゴジラ以外の怪獣なんて出ない。映像の切り貼りで「宇宙怪獣ドゴラ」っぽく見せているだけ
の順位としておきます。ドゴラ以外の既存東宝怪獣の登場予想はしません、というよりもうできません。さすがに第三の怪獣は無いでしょうし。
youtu.be現在の妄想は劇中で「どうやってドゴラと名付けさせるか」の段階に来ていて、今のところの候補は
・雲から龍(触手)が出てくることからクラウド・ドラゴンの略でドゴラ
・空から飛んでくるのでどこからくるかどこにいるのか分からず「どこだ?」「どこにいるんだ?」と対策本部内で怒号が飛び交っていたところから名称をドゴラにする
の2つが、わたしの頭の中で有力候補。ちなみにオリジナルでは特に理由もなくドゴラと呼称、と発表されています。
話がそれました。ドゴラは映画中では宇宙細胞が放射能の影響で変異し、巨大化繁殖した生物とされており、基本的には空中に浮いていて地上に降りてくることはなく、食事として炭素を求め、石炭やダイヤを捕食するため、手あたり次第空中に巻き上げる性質があります。超能力のような、猛烈な竜巻で巻き上げるような、あるいは触手を伸ばして捕まえるような。登場の際は周囲に金色や青緑状の雲か煙が発生しています。姿はブヨブヨした、おそらくクラゲとイカと足してデザインした存在でしょう。一方音楽担当の伊福部昭氏は幽霊を連想したのか、ドゴラに充てた音楽は怪談調。「ヒュードロドロ」と言う効果音がどこからか聞こえていそうなサウンドは映像全体に不気味さを漂わせます。常時空中にいるために攻撃手段が制限されるので当初は高射砲で攻撃しますがびくともせず。ならばと対空ミサイルをぶち込んだところ、見事木っ端みじん・・・にはなったんですが、無数の小さなドゴラに分裂して余計被害が大きくなっていくのです。この際の分裂ドゴラは触手がない完全なクラゲ状で竜巻による巻き上げ捕食を行います。
本作、1964年の8月に公開されたんですが、同じ年の12月に公開された「三大怪獣地球最大の決戦」と出演者や演出の被りが非常に多い印象です。主演の夏木陽介氏なんか両方とも刑事役で、気を抜くと続き物じゃないかと錯覚するくらいです。怪獣ものには珍しく銃撃戦もバンバンやるのも両者の共通点です。聞いた話で詳しく調べたわけではありませんが、本来東宝は1964年の年末には黒澤明監督作品を上映する予定でしたが、あーだこーだで撮影は遅れに遅れ(理由はお察しの通り)て年末の上映がむずかしくなり、穴埋めとして本多猪四郎監督に要請が来たということ。それで「ドゴラ」と「三大怪獣」で二本撮りしちゃったんじゃないかなぁって勝手に思ってます。
ドゴラは日本映画初の宇宙怪獣であり、細胞単位で生命活動を行う分裂化の怪獣の先駆けであり、ドゴラ打倒のために世界中の工場で対ドゴラ用の毒が生成される描写など後の作品も参考にしただろうスケールの大きな演出もあり、本来怪獣映画史でも重要な存在です。にも拘わらずマイナー怪獣の中でもさらにどマイナーで、気を抜くと忘れられるのは、4月の「モスラ対ゴジラ」と12月の「三大怪獣地球最大の決戦」の間に公開されるという時期的な不幸があるでしょう。東宝が新怪獣が単独で登場し、かつそれを冠に添えた作品を作ったのはこの「宇宙大怪獣ドゴラ」が最後。これ以降は新怪獣は他怪獣との対決ものか、怪獣のほとんど活躍しない作品の添え物としての登場しかありません。単独怪獣ものはゴジラが単体で登場する作品だけです。多分コケたんだろうなぁ、ドゴラ。それでも現代ならもう少し見直されてもいいかと思いますが、前半と後半で全く形状が違うとか、ブヨブヨ感の再現が難しいとかで玩具化の機会が少ないのも理由にあるかも知れません。デアゴスティーニさんはぜひ「東宝怪獣コレクション」に今からでもドゴラを加えて欲しいと心から願ってます。
